ああ薄明かり染み付く白い壁
狭い部屋を満たしてゆく湿度地味た熱
ああうねる腰瞳はすれ違い
揺れるベッドから溢れ出して零れ落ちた心

上の空で綴る世間話と
間を埋めるように絡めるキスも
ベッドルームの扉に誘われるまでの
中身のない流れに過ぎなくて

ああ月を食べ微笑むの
明日の日の光さえも大うように
ああ甘露さえ心まで
濡れた目鼻を優しく折るように

独り揺れる最終電車
まだ引かない汗
湿った髪が首に纏わる
甘い言葉が私を摘む

ああ手を回すあなたの背
いつか心も温度も感じなくて
ああ甘露さえ心まで
独りあの日のあなたを想うように

夜に揺れる最終電車
過ぎる街並みに
儚く溶けた夢を追せる
夜に溶けてゆく最終電車

繰り返される愛の言葉だって
今ではもう何にも届かなくて
確かめ合うように孤独を紛らわせる
二人はもう帰る場所がなくて