背を向けあえば 互いは翼になる
けれどもう
僕らには
飛び立つ場所などない

誰かが涙を流さすとも
僕らが優しくなれていたら
誰かをあるものにしなくても
僕らは広になれたかな

魔法使いの女の子が
魔法の杖を捨てても
握りしめたかった温もりがあるように
僕らが生まれたこの世界にきっと背負うものなどない
抱きしめるものばかりなのだから

僕とあなたが蝶々結びのように
柔らかく絡み合いいつか解けたとしても
空というものは羽ばたくものでわなく
見上げるものだと勇敢に
諦められたらいいなぁ
手を取り合って歩いていけたらいいなぁ

大事なものを失ったのか
失ったものが大事なのか
ハテナを自分に突きつけても
僕らは素直でいられるかな

魔法使いの男の子は
もう魔法などなくても
あの子を笑顔にすると決めたんだってさ
大好きな人が笑っててくれたら
太陽が鳴りやんでも
次の朝を待てるから怖くなかった

雨の降る日に傘を開くようにね
晴れ渡る空の日は心開いていよう
そして二人でまるい笑い声を
シャボン玉のようにひとつずつ
浮かべていけたらいいなぁ

幼い頃 パパとママがいて
僕にもあなたにも帰る場所があった
魔法があってもなくても
お金があってもなくても
愛と呼べる懐かしい匂いがあって
何でもない朝 本当はそこに
大切な何もかもがあったこと
今ならわかる
あなたも

今背を向けあえば 互いは翼になる
けれどもう
僕らには
飛び立つ場所などない
あなたに出会って長い旅は終わった
もう遠くなんかない ここでただ
あなたを抱きしめていよう
もっと強く あなたを抱きしめていよう