さくらのよほうもむなしく
おおあめがはなをちらせた
しがつのかぜ、すこしさむくて
よるはまだながくて

しかえったはなびのぬけがら
おしいれででばんをまった
けむたがってるでもうれしそうな
きみをうかべた

ほんをよみこんで
きみはまねだして
いつのまにかひざのうえでねむっていたあき

たむいのはいやって
たいおんわけって
ぼくはこごえるきせつも
あながちいやじゃなかって

ありがとうも、さよならも
ここにいるんだよ
ごめんねも、あいたいよも
のこったままだよ

うれしいよも、さびしいよも
おきざりなんだよ
こいしいよも、くるしいよも
いえていないんだよ

またかぜがふいておもいだしたら
はるなつあきふゆ
めぐるよ

ごはんのあじ、はなのいろ
かこうのないあまいかおり
ひとはだをすうじじゃなく
しょっかくにきざんでくれた

こまくに: ああ
とくべつな: ああ
ごかんのすべてをべつものにかえてくれた

いまさらねあれこれね

ありがとうも、さよならも
ここにいるんだよ
ごめんねも、あいたいよも
そだっているんだよ

うれしいよも、さびしいよも
ことばになったよ
こいしいよも、くるしいよも
いとしくなったよ

またかぜがふいてきみがせかしたら
そろそろ、いかなきゃぼくのばん

なんぜんかい、なんまんかいでも
おもいかえしてもいい
なんぜんかい、なんまんかい
つぎのきせつのために

はるがきて
なつがきて
あきがきて
ふゆがくる

そしてまたはるに
つぎのまたはるに
あたらしいきみと
やがてくるはるに