ざわわざわわざわわ
広い砂糖きび畑は
ざわわざわわざわわ
風が通り抜けるだけ
今日も見渡す限りに
緑の波がうねる
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
広い砂糖きび畑は
ざわわざわわざわわ
風が通り抜けるだけ
昔海の向こうから
戦争がやってきた
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
広い砂糖きび畑は
ざわわざわわざわわ
風が通り抜けるだけ
あの日鉄の雨に打たれ
父は死んでいった
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
広い砂糖きび畑は
ざわわざわわざわわ
風が通り抜けるだけ
知らないはずの父の手に
抱かれた夢を見た
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
広い砂糖きび畑は
ざわわざわわざわわ
風が通り抜けるだけ
お父さん手呼んでみたい
お父さんどこにいるの
このまま緑の波に
溺れてしまいそう
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
忘れられない悲しみが
ざわわざわわざわわ
波のように押し寄せる
風よ悲しみの歌を
海に返してほしい
夏の陽射しの中で

ざわわざわわざわわ
風に涙は乾いても
ざわわざわわざわわ
この悲しみは消えない