ふねはでてゆく
ゆうしゅうのしらべをききながら
やぶれさりたちつくすもののこころをしらず
しずまりかえるこうだいなだいちにきざみつく
かなしいつめあとのこのむねにしみる
ちぎれたくろいくもにしゅくふくのさんびに
たたかいをおえたとりではざんさられてゆく
ながれるしろいすなにうずもれてく‹ëからだ
はなはおちてさつばつとするむじんのじょうさい
あの日わたしがほかのせんたくしをきりすてて
きみをえらんだらかわったというの
ただしいのはじぶんのほうだとつよくしんじてた
かたくつなぎあったてをすべてなくすまで
ふみはずすこのあしをゆるしあえないなら
なんのためもんはひらいてまねきいれるの
ながれるしろいすなにうずもれてくはなは
しゅをなくしたこうはいのうみにしずむじょうさい
このむねにさいたいちりんのはなが
おともなくくずれさけびあげている
あたたかくゆれているきみのおもかげも
このわたしをよびもどすべるにならない
いとしいひとよ
せめてわたしをきるときは
ひとみあけてほろびゆくしゅんかんまでみとって
ちぎれたくろいくもにしゅくふくのさんびに
たたかいをおえたとりではさらされてゆく
いとしいひとよきみにであえたよろこびに
はなさかせたおだやかなわたしはもういない