振り向いたその後ろの (正面だあれ?) 暗闇に爪を立てて (夜を引き裂いた) 雨だれは血の雫となって頬を伝い落ちる もうどこにも帰る場所がないなら この指止まれ 私の指に その指ごと連れてってあげる ひぐらし鳴く紅葉の森へ 跡戻りはもうできない 一人ずつ消されてゆく (青い炎) 暗闇のその向こうに (朝はもう来ない) 鏡の中で蠢き伸ばしてくる無数の手で さあ誰かをここへ誘いなさい 鬼さんこちら手の鳴る方へ どんなに逃げても捕まえてあげる ひぐらし鳴く獣道から 聞こえていた声はもうない この指止まれ 私の指に その指ごと連れてってあげる ひぐらし鳴く紅葉の森へ 跡戻りはもうできない 鬼さんこちら手の鳴る方へ どんなに逃げても捕まえてあげる ひぐらし鳴く獣道から 聞こえていた声はもうない